原材料は厳選した米こうじ(黄麹)、玄米、地下水の3つだけを使用します。その中で米こうじは、宇都醸造で手作りされています。
最初に米こうじに使う玄米をシーズンに必要な分を蒸すことから始まります。玄米は2分づき(2%ほど削ったもの)に。これによって仕込んだ時に玄米の成分が外に出やすくなります。蒸し終わった玄米は冷却。十分冷えた後に種麹を混ぜて、倉庫の中で4日間、培養させます。
培養させた米こうじは、壺の底に敷く立麹になり、さらに7日間乾燥させた米こうじは、振り麹として使われます。仕込みで使われる米こうじの質によっては発酵が上手くいかないことがあるので、米こうじは全て職人たち手作りで、確かな品質のものを作っています。
米こうじが完成すれば、いよいよ黒酢の仕込みに入ります。壺の中に立麹4kg、蒸した玄米10kg、地下水42L、振り麹500gの順番で1つ1つ手作業で仕込んでいきます。仕込みは3〜5月と9〜11月の年2回行われ、1回の仕込みで60本も壺に原材料を入れていきます。この仕込みを、1日に3回、1週間に2日間繰り返していき、1シーズンで約3000本も黒酢を仕込むこともあります。壺の中には酵母菌、酢酸菌、乳酸菌が存在しており、仕込んでからは1年かけて糖化、アルコール発酵、酢酸発酵の順番で発酵が進んでいきます。
ただし、自然の中で作る為、順番は重なりながら進む為、1年間の期間を要します。
発酵を開始してから最初に糖化が始まります。米こうじが蒸し米のデンプンをブドウ糖に変える作業です。米こうじがお米の中にあるデンプンを外に出してブドウ糖へ変えているため、もし米こうじの質が悪かったり、削っていない丸玄米を使用していれば、成分を全て出しきれず、仕込みに失敗してしまいます。なので、宇都醸造では糖化を上手く行うために質の高い米こうじを職人達たちが手作りし、玄米も成分が出しやすい2分づきのものをこだわって使用しているのです。
糖化が終われば今度はアルコール発酵が行われます。アルコール発酵は糖化されてできたブドウ糖を酵母菌が分解しアルコール発酵させてお酒に変える作業です。ここまでは日本酒と同じ工程なため、匂いもお酢の酸っぱい匂いよりも、アルコール香りが目立ちます。なぜアルコール発酵が必要なのかというと、次の酢酸発酵に欠かせない酢酸菌は、アルコールを分解してお酢を作り出すからです。そして、黒酢作りではアルコール発酵によって壺の中のアルコール度数が高まってしまい発酵が止まってしまわないように、日本酒作りよりも水の割合を多くしています。ここが日本酒作りとの大きな違いでもあります。
仕込んでから3週間ほどで酢酸発酵が始まります。酢酸発酵はアルコール発酵できたアルコールを酢酸菌が食べてお酢に変えることです。壺の表面に白い膜が張っていれば酢酸発酵が進んでいる証拠。酢酸発酵が始まれば、中のアルコールが完全にお酢に変わるまで6〜10ヶ月ほど要します。酢酸発酵が終わるまでの仕込み期間は職人の点検が欠かせません。空気中には納豆菌などの雑菌が多く存在しています。空気中の雑菌を完全に遮断するのは難しいため、病気になっていないか定期的に点検を行い、発酵の進みが悪ければ促すために、撹拌作業を繰り返していきます。点検の頻度は職人の経験によって、1週間に1回かそれ以上かを見極めて行います。ここまで手をかけているのですが、微生物を相手にしているので、気候などの条件によってはなかなか思った通りにはならないのです。しかし、宇都醸造では職人による黒酢の管理を徹底しているため、手はかかりますが美味しい黒酢を作るために点検は非常に重要な作業です。そして、仕込んでから約11〜12ヶ月後に黒酢として熟成に入ります。
仕込み始めてから10ヶ月以上経った黒酢は熟成の前に、もろみと上澄み液を分けるため、圧搾という作業を行います。圧搾には圧搾機と呼ばれる専用の機械を使い、もろみに300kgの圧力と5気圧をかけて、お酢ともろみを分けます。取り出した黒酢は別の壺へ移されて熟成。圧搾されたもろみは乾燥させて粉にし、サプリメントなどの原材料として利用されます。
圧搾で分けられたお酢は、別の壺に移して熟成されます。仕込み期間から1年経った黒酢は色は透明に近く、匂いもお酢寄りのツーンとした香りで味も酸味が強く角があります。その黒酢が熟成されることで徐々に匂いや酸味が丸さがで始め、仕込みを含めて2年目のものは色が一層黒くなり、黒酢らしい姿へと変わっていき、味も酸味がスッキリとして非常に飲みやすくなります。熟成期間から5年目になると色は2、3年目よりもさらに黒くなり黒酢らしい色に。味は酸味の角が取れて非常にまろやかに美味しくなります。栄養素もアミノ酸などの成分が豊富です。
十分な熟成期間をおいた黒酢はいよいよ商品として出荷されます。出荷前には、ろ過と70℃以上の加熱殺菌を行います。そして、お酢が苦手な方でも飲みやすい「くだもの黒酢」や、黒酢初心者の方には熟成期間が2年の「ふくず2年熟成」へ。熟成期間が3年以上の良い黒酢が欲しい方向けには「ふくず3年熟成」、「ふくず5年熟成琥珀の恵」へと姿を変え、お客さまの元へ届けられます。重要な作業のほとんどを職人の手作業で行っているため、1本の黒酢を作るのにこれだけの手間がかかっています。大変なのですが、お客様へ良い物を届けたいという思いのもと宇都醸造は手間ひまをかけて、黒酢作りをしています。
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